区分マンションのアービトラージ戦略

 

今朝の辻村竣さんのメールマガジンで興味深い記事があったのでご紹介します。区分所有マンションの投資物件と実需物件の利回差に着目したアービトラージ戦略はスターマイカ(JQ 3230)のビジネスモデルとして有名で、以前当ブログの記事にも採り上げました。しかし、今回の辻村さんのメールマガジンでは更に掘り下げた新しい着目点があります。

 

 

辻村さんは”夫婦で席行させる不動産投資家”で、MBAホルダーでもあります。視点が非常に斬新かつ独創的で、他では得ることができないアイデアを発信されているので、管理人も毎週金曜日の辻村さんのメールマガジンを楽しみにしています。

 

 

辻村さんの公式サイト: http://www.tsujimura-shun.com/

 

 

以下、辻村さんの今朝のメールマガジンからの転載です。

 

 


■ 第149号 「区分所有マンションを実需で売却」    

今年2件目の物件売却をしました。 以前のメルマガにも書きましたが、 日本は今は不動産の売り時だと思います。 低金利、消費税増税、アベノミクスなどで、 不動産を買う人がたくさんいます。 それに対して売り物件は少ない状況です。 ですから売り手にとって以前よりもいい条件で売却できるのです。    

 

今回売却した物件は20年以上所有した区分所有マンションです。 区分所有マンションは、管理費や修繕積立金などが差引かれるので一棟マンションと比べて投資収益率が低く、あまり投資には適さないのが普通です。    

 

しかし、そのような区分所有マンションでも収益を上げる方法があります。それは「賃貸物件として買って実需で売る」ことです。区分所有マンションの場合、賃貸している場合と、空室の場合を比較すると、 空室の方が一般的に売値が高くなります。賃貸物件として投資目的で売買する場合、 利回り10%程度であるのに対し、自分で住む、つまり「実需」の場合は、5%程度でも売買が成立するためです。 ですから、賃貸物件として安く買って、実需で高く売ることが可能です。同じ物件でありながら2種類の値付け方法があり、その価格差を利用するという一種のアービトラージですね。    

 

ところで、「賃貸で買って実需で売る」ためには、 入居者が退去した後、空室をリフォームして、 業者に売却依頼をしなければいけません。 実需で売れるようにやや高額なリフォームをする必要がありますし、 売却依頼をかけてから実際に売れるまでの間、 家賃は入りませんので、金利負担だけがかかってしまうという欠点もあります。売急げば売値が安くなってしまうかも知れません。    

 

しかし「定期借家契約」を使えばこの問題も解決する事が分かりました。「定期借家契約」は「普通借家契約」と違って例えば2年の契約期間満了とともに契約を終了し、いわゆる「正当事由」なしで、物件を明け渡してもらうことができる契約です。 ただし契約期間満了時に明け渡してもらうためには、契約期間満了時の1年前から6ヶ月前までに書面で入居者に契約が終了する事を連絡する必要があります。

 

私たちは原則「定期借家契約」を締結していますので、今回の売却でこれを利用しました。賃貸契約期間満了の1年前から6ヶ月前の間に売買契約を締結します。売買契約締結後、決済までの間に私たち売主側で入居者に賃貸契約終了の連絡をします。これで買主は物件購入後数ヶ月間家賃収入を得た後、 物件が明け渡されることになります。    

 

これで私たち売主にとっては高額なリフォーム費用をかけず、しかも所有権移転の日まで家賃を受取りながらマンションを実需で売却することができました。 売値としては、リフォーム費用分程度を差引いた価格にすれば、周辺相場よりもかなり安くなるので、買主にとってもお得になります。まさにWin - Win の状況を作る事ができました。このように日本の区分所有マンション投資も工夫次第では収益性の高い投資にできる可能性があります。

 

 

私が注目した区分所有マンションの投資物件と実需物件の利回差に着目したアービトラージ戦略での新しい着目点は、下記です。

 

  1. 定期借家契約を利用することで、所有権移転の日まで家賃を受取りながらマンションを実需で売却する
  2. 売却まで内覧できないデメリットを、高額なリフォーム費用分の価格を安くすることで、買主がカスタマイズできる選択枝で補う
  3. 価格が安くなる分、売却しやすくなる

 

 

いつもながら、考えさせられる斬新な着目点でした。ちなみに辻村さんは書籍も出版されています。良書なので購読をお勧めします。

 

 

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