全国賃貸住宅新聞の2014.4.28号に興味深い記事がありました。オーナーズエージェントアートアベニューの藤澤雅義社長による「加速する仲介手数料ゼロ」です。記事の感想を下記に記載します。
直近のスーモを調べたところ、東京都全域の43万戸の募集物件のうち、「仲介手数料不要」「仲介手数料無料」「仲介手数料0」などと提示されている物件は5.7%だったそうです。
3~4年ほど前にはほとんど見かけなかったですが、空室率の上昇とともにこのような動きが観察されるようです。現状では備考欄にさりげなく記載されているだけで、あまり目立っていません。
スーモ側も仲介ビジネスをしている不動産業者がクライアントなので「仲介手数料無料」を大々的に宣伝しにくいのではと藤澤社長は分析しています。
そして、現在「仲介手数料無料」をうたっている業者の7割は「客付け業者」で3割は「管理会社」と思われます。
空前空室率の影響でオーナー側からADが多く支払われるようになったので、入居者側から仲介手数料をもらわなくてもよいとする業者が現れたのです。
これには、入居者側から仲介手数料を支払う意義がどれだけあるのか?という根源的な疑問が発せられていることも原因です。
ネットで自分で検索してそのままその物件に契約する人が4割以上に達している状況では仲介業者の存在意義が薄れてきているのです。
そして3割の「管理会社」は、「仲介手数料無料」を武器にしてエンド客に直接働きかけることでコストカットを志向し始めています。
特に、下記のような管理会社は、
① 管理戸数が多くて自社店舗だけでは到底決めきれない
② 仲介店舗をもっていない
次のように2極化することが予想されます。
① 多額のADを払い続けて客付け業者に依存し続ける会社
② なんとか自前でエンドに直接働きかけようとする会社
この際にネックになるのは現状では1階にある路面店舗での仲介です。しかし、今後はインターネットによる集客の更なる普及によって、1階にある路面店舗はあまり問題視されなくなっていく可能性があります。
この現象はいわゆる”中抜き”です。数年前からこの変化を感じていたので、私は友人と賃貸直接募集ナビを展開しています。このシステムはオーナー主体ですが、世間では管理会社も動き出しているようです。
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