昨日は、某家主の会に出席してきました。勉強会は3部制で、印象に残った2番目の講演の感想を記載したいと思います。2番目の講演は代々の地主系家主の方のお話でした。
この方のお父様が昭和40年台から家主業を開始され、現在は2代目とのことです。この方は、家主業以外にも小売業を営んでおり、「両方本業です」とおっしゃられていたのが印象的でした。
両方本業・・・、かっこいいフレーズですね。しかし、事業の継続に関する拘りはさほど強くなく、その時代に合わせたビジネスを選択して行うことに主眼を置かれているようです。
「事業の継続」よりも「家の継続」の方が大事だと考えているのでしょう。相続財産はお金ではない、ビジネス資産(家業)を相続する、相続される方も能力が必要。いずれも非常に貴重な意見だと思います。
この方の経営スタイルは、「少人数家族経営」です。できるかぎり、「家」の外に資金が流出しないようにして、ローコスト経営を心掛けています。
しかし、だからと言って何でもかんでも自分たちで行うわけではなく、専門性の高い業務は積極的に外注しています。このあたりのバランスで高収益を叩き出しているのでしょう。
そして、この方のように40年以上に渡って不動産賃貸経営をしていると当初の借入を完済しています。売却以外で借入を完済するケースを見かけるのは稀です。
そして借入を完済した物件は、家賃収入が丸々手元に残ります。もちろん固都税や営繕費は控除されますが、CFベースでは融資の返済が最も大きな部分を占めるので、これが無いと圧倒的な稼ぎ頭になるようです。
これは非常に羨ましい話であると同時に、家主としてのひとつの最終到達地点でもあると考えています。私のような駆け出し(?)大家が同じ状況を手に入れるには物件の現金買いを行うしか方法がありません。
自分を振り返ってみると、現金買いした物件からのCFは大きいので、確かに稼ぎ頭になっています。このあたりは資産形成戦略の根本にかかわる問題なのでどちらが良いかの判断は各人によって異なります。
しかし、残債の無い物件のキャッシュ産生能力が大きいことは論を待たず、資産のバッファーとしてそのような残債ゼロの大型物件を一つぐらい所有する選択肢もアリかなと感じました。
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