最近は、1~2年スパンで決断するべき懸案事項を処理し終わったのでやや長期的なことについて考える余裕が出てきました。そこで、子供の人生戦略を考えてみたいと思います。
子供の人生戦略を考える上で、学歴とどう向き合うのかは非常に重要だと思います。そして学歴の中で最大のウェートを占めるモノは大学入試です。実は、その大学入試は20-30年前と様変わりしてます。
現在の大学入試において最難関と言われているのは、東京大学ではなく国公立大学医学部です。国公立大学医学部の中では比較的容易と思われる地方大学の医学部であっても、東大理Ⅰや理Ⅱより難しい状況です。
私が大学受験した20年前の東大は、さすがに旧帝大や旧六などの医学部上位校にはかなわないものの、地方大医学部よりは上だった記憶があります。しかし今では地方大医学部よりも格下と見做されています。
知り合いの子供さんで東大でも余裕で合格できる成績優秀者が居ますが、地元の国公立大学医学部を目指しています。東大なんて首都圏の人しか行かないでしょ・・・と言われた時は衝撃を受けました。
そして文系においては東大文Ⅰ(法学部)が圧倒的な頂点でしたが、こちらも弁護士の供給過多のため大幅に易化しています。つまり現在の高校生の最上位層が、こぞって医学部に殺到している状況なのです。
確かに経済的な観点では医学部を志向することは、極めて合理的な判断です。医学部卒業後5年(30歳)時点で、比較的所得の少ない勤務医であっても年収1000万円はクリアできることがほとんどのようです。
このような職業は他には存在しないため、目端の利く高校生は医学部を目指します。しかし、私は重要な視点が抜け落ちていると考えます。それは、今から20年後もこの状況が続くのか? ということです。
株式でも不動産でもそうですが、ブームになって皆が殺到するようになると必ず競争が激化して、遅れてきた者はババを掴まされます。どんな分野でも永久に良い状況が続くことはあり得ず ”必ず” 崩壊します。
現在の異常な医学部ブームも、皆が医師の有利さに気付いて殺到し始めた時点で、将来の見通しは暗いと言わざるを得ません。このような”レッドオーシャン”を目指すことは、危険な行為である可能性が高いのです。
それよりは、経済状況の悪化のため不人気化して昔に比べると大幅に易化した東大を目指す方が、”ブルーオーシャン”である可能性が高いのでは? と個人的には考えてます。
もちろん、昔に比べたら大幅に易化しているだけで、東大は今でも難関大学であることには変わりませんが・・・。
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へびつかい (月曜日, 17 11月 2014 11:18)
母が言っていたのですが、建築士になると食いっぱぐれないと言われた時代もあったようです。
弁護士、公認会計士などの職業が凋落し、現在は歯科医が供給過多のようですね。
今ある職業の数十パーセントが10年前は存在しなかったというし、さらに10年後にはITによる自動化でいくつかの職業が無くなるなんて試算もあるようですね。
僕も子を持つ身として頭が痛いです・・・
zero-rich (月曜日, 17 11月 2014 12:47)
いわゆる”士業”の全てがダメだと言っているわけではありませんが、少なくとも新規参入組にとっては厳しい戦いを強いられることが予想されます。
現在既に開業したりパートナーに収まっている方は安心かもしれませんが、子供世代が職の選択を行う時期には既にパイは残っていない可能性が高いです。
人の行く裏に道あり花の山 という諺がありますが、現在日本ではどこが花の山に通じる道なのでしょうね。