ルーブルおよびロシア株の下落は小康状態を保っています。12月18日にRTS連動型上場投信(1324)に参戦して以来、まだ1000株しか購入できていないのですが、焦らず更なる下落を待ちたいと思っています。
今回のロシア株投資にあたって研究したのですが、ロシアの代表的な株価指数にはRTS指数とMICEX指数があります。これらはそれぞれRTSとMICEXというふたつの証券取引所が算出している指数です。
上場している企業の時価総額で言うとMICEXの方が大きいのですが、MICEX指数はルーブル建てです。一方、RTS指数はドル建てなので、世界的にはロシアを代表する株価指数と見做されています。
上場している企業はかなりオーバーラップしているのですが、今月になってからの両指数間の動きには、目を見張るほどの乖離を認めます。まず、下のチャートを見てください。
RTS指数(米ドル建て)
MICEX指数(ルーブル建て)
まず、米ドル建てのRTS指数は、ルーブル急落も影響して12月15日と16日の2日間で20%以上下落しました。一方、ルーブル建てのMICEX指数は、1.1%の下落に留まっています。
このふたつの指数の動きの意味するところは、通貨ルーブルの下落とロシア株式の下落速度はほぼ等しいということです。これはルーブル所持者からみると「国内株価は下落していない」ということを意味します。
私は通貨暴落時には通貨の下落幅以上に株式は下落すると思っていました。しかし、2014年のロシアの例では、通貨と株価はほぼ同一速度で下落していったようです。
見方を変えると、通貨暴落時に自国通貨(=ルーブル)で国内株式を購入しようとしても割安感は全く無いということになります。つまり自国通貨しか所有していない者にチャンスの窓は開かないということです。
これは私達にとっても非常に示唆に富んだ事実だと思います。やはり通貨暴落で資産を形成するためには、基本的に外貨を所有している必要があるようです(ショートする場合は除く)。
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tw (水曜日, 24 12月 2014 12:41)
いつも勉強になる投稿をありがとうございます。
私も不動産投資をする傍ら外貨、ロシアへの投資を行っております。
現在の日本もほぼ同様ではないでしょうか。
EZJは日本株のドル建てx2レバレッジETFですが、ここ一年間横ばいです。
通貨下落しても、株価自体は変化しないのであれば、自国通貨しか所有していないと意味はないわけです。
海外に海外居住者、法人名義で口座を持ち資源国通貨や株式を持つことが、クライシスに対して最も耐性があると考えておりますが、いかがでしょうか。
これからもこちらのブログで勉強させていただきます。どうぞよろしくお願い申しあげます。
zero-rich (水曜日, 24 12月 2014 16:31)
意外と不動産投資家で、ロシア株に興味を持っている人は多いんですね。そんな奇特な人は私だけだと思っていました(笑)。
またの機会に記事にしようと思っていたのですが、私は「EWJ」を「国内証券会社」で購入するスキームを計画しています。
なぜ、EZJではなくEWJかというと、流動性が比較にならないぐらい大きいためです。日本株ETFの代表銘柄なので、安価に国内証券で購入できるメリットがあります。
海外口座を法人名義で持つことは国家破産対策では最強のリスクヘッジになりますが、オペレーションの煩わしさや維持コストから一般人には難しいと思います。
その点、今度記事にしようと思っていたスキームは、我ながら、誰でも・簡単・ラクラクな方法だと思います。