2015.5.18の全国賃貸住宅新聞に興味深い記事がありました。破産したコバヤシ・ファシリティーズの承継物件建て直しについての記事です。コバヤシ・ファシリティーズの破綻は以前にブログでご紹介しました。
当時、コバヤシ・ファシリティーズの倒産は、単なるディベロッパーの破綻だと思っていました。しかし、全賃の記事を読んだ限りでは、どうも介護事業のつまずきもあったようです。
コバヤシ・ファシリティーズのから高齢者住宅の運営権を承継したゴールドエイジコンストラクションへのインタユー記事なのですが、入居率が95%を超えているにも関わらず、毎月の収支は赤字とのことです。
これは、家主に支払う家賃と人件費が大半を占める支出に対して、入居者から得る家賃・共益費・食事代・介護報酬が少ないからだそうです。それなら家賃や介護報酬を値上げすればよいのでは?と思いました。
しかし、介護報酬は介護保険により報酬が規定されています。また、家賃は年金から拠出している方がほとんどなので、容易に値上げすることはできません。
このため、稼働率を高めるほかには売り上げを伸ばす方法がありません。したがって、効率的な人員配置による人件費削減で支出を抑えるしか利益を生み出す方法が無いそうです。
正直に言って、これはかなり厳しい状況だと思います。損益分岐点が高い事業は非常にリスキーです。しかも、自助努力では売り上げを上げる方法が皆無という状況では八方塞がりです。
一時期、介護関係のビジネスは成長分野と見做されて盛り上がりましたが、基本的に国に首根っこをつかまれている分野なので、政策しだいでどうにでも転んでしまう怖さがあります。
この記事内でゴールドエイジコンストラクションは家主に支払う家賃の減額交渉について言及してません。しかし、遠くない将来に家賃の引き下げ交渉は必至ではないかと思いました。
世の中にはおいしい話が続く状況はなかなか無いようですね。
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