2008年9月15日にリーマンショックが世界を駆け巡りましたが、J-REITへの影響はまだ限定的でした。J-REIT市場を完全に崩壊させることになったのが、10月9日のニューシティー・レジデンス(NCR)の破綻です。
このニュースが発表されるとJ-REIT市場は完全に崩壊してしまい、最大手の日本ビルファンドも含めて、買い手不在の阿鼻叫喚の状況が出現したのです。
私が、J-REIT市場が大変な状況になっているのを具体的に知ったのは、週刊ダイヤモンドの記事を読んでからです。
経済雑誌は高い情報収集能力を備えており、いろいろな分野の情報を定期的に伝えてくれます。編集者の主観が入る予測情報は使えませんが、客観的な暴落や危機の記事は有益な情報源だと思います。
2008年11月の時点で、暴落の理由を考察した上でJ-REITを3群に分けました。
最初に買う銘柄として③はリスクが高すぎるので、まず②銘柄を買い始めました。2009年2月ごろには、②銘柄が反転して含み益が出始めたので、依然として大底をはっている③銘柄を買い始める余裕につながりました。
2009年4月になると、③銘柄が大幅に値を戻したため、今回のJ-REIT投資で最大の含み益を上げることに成功しました。2009年6月には②③銘柄はそれなりに値を戻したため、昨年の暴落時からあまり値動きのない①銘柄を買い始めることにしたのです。
個々の銘柄の下落率の差を考察して、②→③→①の順番で買い進める計画を立て、実際の市場がほぼ予想通りの動きをしたので良いタイミングで買い集めることに成功しました。
あくまで結果論で、収益をあげることができたのはビギナーズラックに寄るところが大きいと思います。しかし、各銘柄間の価格差の動きに注目するきっかけになりました。
リーマンショックから半年間はJ-REITにかぎらず株式や外貨に投資しても非常に高いリターンを得ることができましたが、CFを得る目的でJ-REITを選択しました。余程のことがない限りCFを得ることができる資産として、今後も保有し続ける予定です。
※ J-REIT投資にチャンスの窓が開いていたのは2008年10月からの1年間であり、現在のJ-REITにはそれほど投資妙味はないと考えています。