2015年
10月
31日
土
先日、某勉強会で心の健康についての講演を拝聴しました。講師の方はPCM(process communication model)というコミュニケーションツール・プログラムのインストラクターでした。
PCM自体は「ふ~ん」という感じでしたが、講演のつかみの部分で約10億円を所有する90歳の資産家が、たったひとつ空室ができただけで空室をとても気にして夜も眠れないという例え話が興味深かったです。
もちろんこれは架空の話なのでしょうが、ニュアンスとしては理解できる状況です。私もどちらかと言えば心配性なので、ひとつでも空室が出ると心配になって気持ちが落ち込みがちです。
複数の物件を所有しているので、物理的に常に満室稼働させることは不可能です。理性では理解しているものの、気持ちの面でどうしても気になって仕方がないのです。
不動産経営に限らず、投資全般に渡って同じような心理的傾向があります。おそらくこの細かいことまで気になる性格が、私が躍進できた原動力のひとつだと思います。
しかし、資産形成にゴールは無いので、どれだけ資産が増えても心理的には常にストレスに苛まれ続けることになります。実は、私は約18年前に掲げた目標を既に達成しています。
客観的にみれば、もうそろそろいいんじゃないの? という状態なのですが、自分自身の気持ちとしては全くそうではありません。日々些細な(?)ストレスに晒されているのが現実です。
そして、ストレスに晒され続けると身体にも良くありません。もちろん、精神的にも非常に損なことが多いので、ストレスに晒される状況を減らしていく必要があります。
そのためには、やはり「気にし過ぎない」ことが大事だと思います。「心配事が現実化したときに、実際にどの程度の損失が生じるのか」を具体的に把握することが一方だと思います。
このような習慣を身に着けることによって、心配事という「オバケ」の正体を掴むことが可能となります。意外と金銭的な損失は大きくないことが多いことに驚く方も多いのではないでしょうか。
2015年
10月
27日
火
Airbnbに本格参入して早数ヶ月ですが、Airbnbに連結している銀行口座には凄い勢いでゲストからの入金があります。私の場合、ほぼ100%外国人旅行者なので、この入金は外貨を獲得していることになります。
社会に出てからかなり長い年月が経ちましたが、私のキャリアの中で外国からの収入を得ることは外貨預金や株式配当金を除くと、ほぼ初めての経験です。
資源に乏しい日本は貿易立国です。つまり外国で稼いで日本国内を潤すことが基本的な収益構造です。しかし、国際社会の激しい競争を勝ち抜いて外貨を獲得することは容易なことではありません。
トヨタ自動車が日本人の尊敬と注目を集めるのも、彼らが外貨を獲得してくれるおかげで日本人が豊かな生活を送れるからです。外貨を稼げる能力のある存在は非常に希少なのです。
一般的にはトヨタや昔の家電メーカーなどの外貨を稼ぐ能力のある会社の社員よりも、医師・弁護士・不動産オーナー、最近の公務員などの方が、社会的なステータスが高いです。
しかし、日本全体のことを考えると、これらの人々が外貨を稼いでいるわけではありません。彼らはトヨタ等の一部の日本の至宝が稼いできた外貨でヌクヌクと生活しているという構図が成り立ちます。
ごく一部の外貨を稼ぐ能力のある会社が、残りの日本社会の構成員の全てを養っていると言えます。極論すると、有能な1%の会社が99%の普通の国民を養っているのです。
「日本にトヨタがあって良かった!」と心の底から思います(※)。私のように国内でしか稼ぐ力の無い人間は、所詮トヨタなどの日本の至宝に養ってもらっているに過ぎないからです。
そんなコンプレックスに苛まれている私ですが(笑)、最近はAirbnbでかなりの外貨を稼いでいます。本当は私が稼いでいるわけではなく、先人が築いてきた歴史や文化が稼いでいるのですが・・・
しかし、形はどうであれ「外貨を稼いでいる」という事実は重要です。従来のAirbnbは近いうちに規制で潰される可能性が高いので、簡易宿泊所などで遵法性を担保しつつ外貨を稼ぐ手段を構築しようと思います。
※ トヨタに感謝と言いながら、トヨタの自動車は一度も所有したことがありませんし、トヨタ株の購入も一度もありません・・・
2015年
10月
24日
土
先日、築不詳の築古木造戸建に買い付けを入れました。私のメインのエリア内での立地はかなり希少なのですが、立地の希少さに比例して地価も高く収益性を確保しにくいことが難点です。
今回は240万円/坪の物件価格に対して、路線価が120万円/坪しかありません。私のメインのエリアでは、路線価と実勢価格の乖離が2倍以上が普通です。
このため満額での銀行融資は難しく、かなりの現金を投入することが前提となります。レバレッジをかけてどんどん規模を拡大していく昨今の不動産投資手法が通用しにくいエリアなのです。
このため、私のメインのエリアでの競合は不動産投資家系大家ではなく、もともとの地主系大家もしくは路線価と実勢価格の乖離を利用して資産を消しこみたい相続対策系大家となります。
このように、何のバックグランドも無い者にとっては非常に戦い難いエリアなのですが、それにも関わらず私がこのエリアに特化する方針を堅持していることには理由があります。
不動産は立地が全てだと考えているからです。基本的に地価と収益性は反比例しますが、収益性の低さは安定した不動産利用価値の裏返しでもあります。つまり収益性は低いものの、安定経営を実践できるのです。
不動産投資を安全に実践するには普段のオペレーションが大事ですが、もっと大局的に考えることも必要です。それは最低でも10年以上の長いスパンを生き残るためにはどのような対策が必要か? という視点です。
この対策として、私は下記の2点を心掛けています。
① 自己資金比率を高める
② 流動性を高める
ビジネスで破綻する原因のほとんどは資金ショートです。① 自己資金比率を高めることと、②-1 潤沢な金融資産を所有することで、資金ショートを起こす可能性を極限にまで低下させることが可能です。
そして、②-2と②-3はイザという時に、換金しやすい物件を所有することを意味します。立地が良くても大規模過ぎる物件は、買い手の数が限られるので売却には不利となります。
5億円の大型物件1棟よりも、1億円未満の規模の小さな物件5棟の方が不動産投資の安定性が増すと思います。確かに物件数が増えると管理が大変ですし、投資効率も低下します。
オペレーションするなら好立地の大型物件がベストですが、有事の対応を考えると売却の容易な小振りな物件を多数所有する方が安全だと思うのです。
2015年
10月
20日
火
10月も半ばを過ぎ、平成27年も終盤に差し掛かろうとしています。そろそろ、ふるさと納税の寄付金額を確定する季節です。私も目標金額に向けてふるさと納税の寄付業務を加速させています。
そんな中、楽天市場にふるさと納税のコーナーが出来ていることに気付きました。サイト自体は今年の7月に開設されてようです。さすが楽天、話題性のあるモノには何でも食いついて来ます(笑)。
楽天市場でふるさと納税を実行するメリットは下記のごとくです。
これはなかなか画期的なサイトではないのか? ということで早速楽天ふるさと納税を試してみました。まず、サイトの構成が最大手の「ふるさとチョイス」に酷似しています。
しかし、実際に検索してみると掲載されている自治体数があまりに少ないことに気付きました。う~ん、これではあまりにも選択の余地がありません・・・
めげずに、これは!と思う自治体を探し出して寄付してみました。トップ画面は「寄附を申し込む」ですが、2ページ以降は「購入」になっています(笑)。インターフェースは完全に楽手市場のショップです。
このため、住所やクレジット番号を入力する手間が無く、通常の楽天市場でのショッピングと何ら変わるものはありません。これは少し便利かもしれません。
しかし、ふるさとチョイスでもアカウントを作成してログインすれば、クレジット番号を入力する作業が必要なだけなので、楽天ふるさと納税が圧倒的に使いやすいわけではありません。
残念ながら2015.10.20現在では、ふるさとチョイスに品揃えで大きく水をあけられているため、ふるさと納税のポータルサイトとしての力の差は歴然としています。
2015.7月開始なので仕方無いと思いますが、ふるさと納税フィーバーが終わるまでにふるさとチョイスを逆転することは難しいことが予想されます。
しかし、儲かると見ればどんな分野にでも新規参入してくる楽天の貪欲さは目を見張るものがあります。中小の業者しかいない業界では、資金力にモノを言わせてあっという間に確固たる地位を確保します。
旧来の日本企業ではありえないフットワークの軽さとニッチ分野へのアンテナの張り方は尋常ではありません。ソフトバンクの豪快さが話題に上りがちですが、楽天も侮れない存在だと感じました。
2015年
10月
17日
土
先日行った金融資産形成のセミナー後の懇親会で、出席者から感想をお伺いして少々がっかりしてしまいました。ほとんどの方は「私にはできそうにない」という感想だったのです。
私の金融資産投資手法は「超長期逆張り投資」です。限定された購入対象を、数年に一度の買い手有利な状況下でのみ買い下がっていく投資スタイルです。
このため、客観的(後追い的)にはリスクが低くて、才能不要の投資手法であると思っていました。この手法なら投資の才能が無い人でも実践可能だと考えていたのです。
しかし、セミナー参加者の多くが、その状況下で精神を平穏に保つことは難しいと感じたようです。言われてみれば、今の私でさえも少なからず精神的なストレスを感じながら金融資産投資を敢行しています。
理論的に考えれば比較的ローリスクでミドルリターンを獲得できるのですが、私の投資手法の最大の問題点は、最初の成功体験をどうやって積むかであることに気付いたのです。
要求される金融資産投資の能力はさほど高くありません。しかし、投資期間中にかかる精神的ストレスが尋常でないため、一度も成功体験が無い人が実践するとかなりの確率でドロップアウトしてしまいそうです。
ドロップアウトしてしまうと単なるナンピン買いで負けてしまった投資家になってしまいます。一度でも成功体験があると、最後まで耐え抜いて大きな利益を得る可能性が広がるのですが・・・
この「最初の成功体験」が逆張り投資の最大の難関です。逆張り投資の精神的なハードルが高過ぎるため、才能がある人しか勝てない順張り投資が人気化するのだと思います。
しかし、この「最初の成功体験」を伝えることは非常に難しいです。言葉で説明し難いのですが、一旦相場が反転すると2~3割の含み損は2~3週間程度で含み益に転じることも少なくありません。
一度でもこの感覚を体験すると、2度目から勇気を持って買い下がっていくことが可能となります。もちろん、投資対象は吟味する必要がありますが、逆張り投資の研究は得るものが大きいと思います。
2015年
10月
13日
火
不動産投資は株式投資と比較して、ハードルが高いと考えられています。株式投資の場合にはある程度のお金があれば、証券会社に口座を開いて株式を購入するだけで開始することができます。
一方、不動産投資では扱う金額が大きいため、まず知識を仕入れることが重要です。そして、公開市場ではないアナログな市場でお宝物件を探して、価格交渉を行いながら購入する必要があります。
このため、なかなか不動産投資に踏み込めない方が多いのが現状です。私は名刺に宅地建物取引士の資格を入れているため、宅建の資格は不動産投資を行う際に取得するべきか? とよく質問されます。
結論的に言うと、不動産投資を行う上で宅地建物取引士の資格は全く役に立ちません。もちろん、試験で出題される範囲の知識は知っておく必要がありますが、試験に合格するレベルの知識は全く不要です。
私が宅地建物取引士の資格を持っている理由は不動産投資を実践するためではなく、知り合いの会社でどうしても宅地建物取引士の資格保有者が必要だったため頼み込まれたためです。
通常、半年の勉強期間が必要なようですが、大学に合格したばかりで頭の働きが人生の最盛期に差し掛かっていた私は、実質1週間の勉強期間で合格しました。大学入試に比べて非常に簡単な試験だった印象です。
泥縄式の勉強で合格したから不動産投資の実務に役に立っていないのでは? という意見もあるかもしれませんが、資格試験の勉強程度で実戦に役立つ知識を身に着けることは不可能だと思います。
これは宅地建物取引士の試験に限らず、司法試験や医師国家試験などの最難関国家試験にも当てはまります。これらの最難関国家試験といえども所詮はペーパー試験に過ぎず、実戦では何の役にも立たないのです。
資格試験が実践で役に立たないことは分かったが、なぜ資格試験が資産形成において危険なのか? それは、資格を取得することに熱中してしまい、肝心な部分の学習が疎かになるためです。
これは宅地建物取引士だけではなく、ファイナンシャルプランナー(FP)や○○士などの各種民間資格全てに当てはまります。最近では「家元ビジネス」が全盛で、乗せられてしまいがちなので注意が必要です。
もちろん資格取得が目的ではなく、「知識取得」目的で学習する分には何の問題もありません。ただし、往々にして目的が知識取得から資格取得に変化してしまいがちです。
これは特に高学歴で認知能力に優れた人が陥りやすい罠です。認知能力が高いと資格取得が普通の人に比べて簡単にできてしまうので、資格コレクターで終わってしまいがちなのです。
投資やビジネスで成功するには、認知能力もさることながら非認知能力の方が重要だと言われています。非認知能力を高めるには実戦の中で能力を鍛え上げるしか方法がありません。
資格取得が目的ではなく、投資やビジネスでの成功が目的であることを再度思い出して日々の行動を最適化するべきではないかと、私は常々考えています。
2015年
10月
10日
土
先日、クローズの会で金融資産投資についての講演を行いました。相変わらず喉が弱くて後半戦は結構大変でした。その後の懇親会で、ブラジルへの投資について意見を求められました。
米国の利上げ観測や中国の景気低迷のためにブラジルを始めとする新興国は軒並み経済が良くないです。このため株価や通貨もかなり売り込まれています。
私自身は新興国についてあまり興味が無かったので、意見を述べるほどの知識を持ち合わせていませんでした。そこで帰宅後にブラジルの株価指数と通貨のチャートを調べてみました。
2015年
10月
06日
火
昨日の夕方に、懇意の不動産業者の方からメールが届きました。私がターゲットにしているエリアで350万円の廃屋が売りに出たとのことでした。今回の物件は電話でなくメールであるところがポイントです。
つまり、それほど急ぎの案件ではない(=それほどお買い得ではない)ということです。こちらから電話で物件の概要をヒアリングしましたが、物件の状態はかなり悪いようです。
25㎡程度の平屋ですが、屋根を葺き替えてユニットバスを入れるとコストが200万円くらいかかりそうです。そうなると現状では諸経費込みで600万円ちかくになってしまい投資妙味がありません。
これが200万円とはいわないまでも250万円ぐらいに価格交渉できればギリギリ合格ラインでしょうか?ただし、この場合でも物件単体の収益性はグロスで12-3%程度です。
まぁ、築古木造戸建の場合はグロス ≒ ネットなので、政令指定都市内の物件としてはそれほど悪い数字ではないのかもしれません。ぼちぼち物調して買い付けを入れるか否かを判断しようと思います。
それにしても、この業者さんの頭の中では「ボロ家・廃屋」=「私」という等式が成り立っているのは、我ながらちょっと苦笑です。この業者さんから紹介される物件は、このような物件が多いのです。
しかし、今回の物件のように350万円程度のモノは仲介手数料をあまり取れないため、通常の不動産業者さんはあまりまともに取り合いません。そんな面倒な物件を嫌な顔せずに紹介してくれるので感謝です。
やはり、自分の理想とする物件を取得するには、懇意の不動産業者さんの力が不可欠です。この業者さんに報いるためにも、取り合えず(低い価格ですが)買い付けは入れようと思います。
2015年
10月
03日
土
次週、一般募集無しのクローズで金融資産投資セミナーを行います。このため、ここ2週間ほどはヒマを見つけては金融資産投資のまとめばかりしています。
私は周囲から「不動産の人」という目で見られがちですが、自分の意識の中では不動産が中心ではありません。私にとって不動産は2割程度の比重です。不動産投資歴よりも金融資産投資歴の方が長いほどです。
資産形成セミナーをおこなった際のアンケートでは、金融資産投資の評価が不動産投資の評価よりも低かったのでちょっとショックを受けたことがあります。
そのリベンジというわけではないのですが、今回は金融資産投資の技術を講演します。不動産では①立地 ②税制 を重要視した投資戦略ですが、金融資産投資では資金投入タイミングを重要視しています。
対照的な点は、不動産投資は狭いエリアに特化していることに対して金融資産投資は広い分野でアノマリーの発生を探し出すことです。両者に共通する点は「買値が投資の収益性が決まる」ことだと考えています。
それぞれの投資特性から、不動産投資は極めて地域限定色が強いです。自分の得意エリア(およそ数キロ圏内)以外では圧倒的な結果を出すことは難しいと感じています。
これに対して金融資産投資は、エリアなどは全く不問です。仮に投資対象がブラジルやボツワナであっても、そこに市場性のある金融商品があれば結果を出すことは可能です。
更に、自分が世界中のどこに居るかさえも問題になりません。厳密には税制の問題があるので多少は居住地域の縛りがありますが、基本的にはネットにつながる環境であるかぎり場所は不問なのです。
このように考えると、金融資産投資技術は意外にも世界中で通用する技術であることが分かります。自分の得意な手法をマスターすると、それだけで場所を選ばず生活していくことが可能なのです。
まだリタイヤしていない私が言うと説得力が無いのですが、実業を辞めても金融資産投資技術をもっているとメシの種には事欠きません。今回は、このあたりのことについて講演しようと思っています。