2016年
1月
30日
土
今年に入って金価格のラリーが続いています。株式市場は世界中で総崩れの状況ですが、金価格および産金株は逆行高です。FRBが利上げを中止することが最大の要因です。
そして、この産金株への追い風を受けて、今月末時点でついに私のポートフォリオで産金株の時価評価が水面上に顔を出しました。投資記録を確認すると、私は2013.5.15に産金株に参戦していました。
実に2年8ヶ月ぶりに産金株の時価評価がプラスになったのです。これだけ長い間マイナス評価に甘んじていたとは、バカじゃないのか? と思う方がほとんどではないでしょうか(笑)。
しかし、私は大まじめで産金株の対する逆張り投資を敢行しているつもりです。それにしても2年8ヶ月も水面下に沈んでいたのは、今回が初めての経験です。
2013.5.17のブログ記事を読むと、当時の見通しが非常に甘かったことが良く分かります。私が参戦した時点で「非常に安い」と判断した産金株の株価水準は、現在と比べてかなり高いです。
今回の産金株投資で種を蒔いたのは2013.5.15で、本格参戦したのは2015.8月上旬です。そして、時価評価がプラスに転じたのは2016.1月下旬なので、実質的には6ヶ月間の戦いでした。
私の過去の投資経験では、J-REITや電力株でも同じような経過をたどっています。本格参戦からおおよそ半年前後でユニット数がほとんど増えなくなりました(=株価が底をうった)。
もちろん、産金株の時価評価がプラスに転じたといっても、まだ3%程度水面上に顔を出しているに過ぎません。株価の見通しは本当に分からないので、週明けに再び水面下に沈んでもおかしくないです。
それでも、株価の下落とともに規則的に買い下がっていくスタイルの投資において時価評価がプラスに転じるということは、その投資が終了しつつあることを示唆します。
感情的には、もう少しユニット数を増やしたいところですが、長期にわたって金融資産投資で生き残っていくためには、できるだけ感情を排して機械的にトレードすることに徹する必要があります。
心の中では産金株が再度下落トレンドに突入することを祈りつつ、相場を見守っていきたいと思います。
2016年
1月
23日
土
今週の金融市場は荒れに荒れましたね。私のポートフォリオはJ-REITと電力株がメインなので影響は少なかったですが、一般の日本株式やFXに投資している方は肝を冷やしたことでしょう。
さて、日本に居ると東京株式市場やドル円相場のボラティリティの高さに目が行きます。しかし、海外市場に目を転じると、原油市場が神経質な展開をしていました。
私は産金株投資を敢行しているので、前日のNY市場に目を通すことが毎朝の日課です。そして、NY市場を眺めていると、否応なしに原油価格(Crude Oil )が目に入ってきます。
2016年
1月
16日
土
言うまでもなく世の中で最も貴重な資源は自分の時間です。全ての人に等しく1日は24時間しかありません。このため、資産形成においても時間を使い方に細心の注意を払う必要があります。
資産形成を行うには「考えること」が最も重要です。この段階を飛ばして単に体だけを動かしていても、収益性を上げることは難しいです。そして、私はこの考えることを「仕事」と見なしています。
つまり、「仕事」とは頭を使って計画や戦略を練ることです。この部分を担うためには広範囲の知識・経験をベースにして十分思考する時間が必要となります。このため仕事は代替が利かないことが多いです。
これに対して頭を使わなくてもできる書類作成などは「作業」です。作業は誰でもできるため大した価値はありません。そして私たちの社会では往々にして忙しそうに作業をしていると評価される傾向にあります。
世の中のほとんどの人は「仕事」をしておらず、「作業」をしているに過ぎません。仕事をすることはその他大勢から抜け出す一歩なので、効率的に資産形成するためには作業はせずに仕事に集中するべきです。
作業をすることのもうひとつのデメリットは、上位者の代理で行っているケースが多いため、時間の融通が利きにくい点です。社会でチャンスをモノにするにはスピードが重要です。
絶好のチャンスはあっという間に自分の前を通り過ぎていきます。チャンスだと思えば、積極的に取りに行くべきなのですが、作業(=仕事ではない)の予定があるためにみすみす見逃す人がとても多いです。
例えば、私は新規事業は共同で行うケースが多いので、声がけする人選を行います。しかし、こちらから連絡しても「予定があるからその日は無理」という人に対しては、2度と声かけすることはありません。
このように基本的に作業の割合が多い人は、チャンスを掴む機会をみすみす見逃す傾向にあるため、資産形成や社会的な成功からますます遠ざかっていきます。
私は常に上記のようなことを考え、「作業」は第三者に依頼して「仕事」に集中することで自分の時間を最大限に活用することを心掛けています。
2016年
1月
09日
土
日本電産の永守社長をご存知でしょうか?日本電産は、連結売上高1兆円・時価総額2兆8000億円超・世界で12万人以上の従業員を抱える電子部品帝国です。
その巨大企業を創業した永守社長は、自身が保有している自社株の時価総額だけで2400億円を超える国内10位の富豪です。猛烈な仕事ぶりや独特の経営哲学が異色を放っています。
実際の永守社長も非常にワンマンで近くにいると鬱陶しい人ですが、天才経営者であることは間違いありません。特に、2000年以降に海外企業を含めた40以上のM&Aを全て成功させた手腕は圧倒的です。
永守社長は再建型M&Aを得意としています。永守社長に関する著書や講演から分析するかぎりでは、再建型M&Aを成功させるポイントは下記の2つのようです。
まず①ですが、技術もしくはウリとなる経営資源を持っている企業であることが再建型M&Aの最低条件です。この条件を持っていない企業に対してM&Aを仕掛けても100%成功しません。
次に②ですが、M&Aで巨額資金を投下する際には、同時に多額の借り入れや株式発行などの資金調達を必要とします。このため、借り入れの返済や金利・配当負担が大きくなります。
資金調達コストが大きいので、結果を出すことが急務となるのです。マネジメントを改善することで収益性を劇的に改善できる案件があれば、素早く確実に結果を出すことができます。
つまり、「素晴らしい技術やノウハウを持っているにも関わらず、当たり前のことを徹底できていない会社」を対象することが、再建型M&Aの必勝パターンなのです。
何故このような話をしているかと言うと、不動産投資と再建型M&Aは非常に似ているからです。つまり、永守社長の再建型M&Aの必勝パターンは不動産投資に応用できるのです。
「素晴らしい技術やノウハウを持っているにも関わらず、当たり前のことを徹底できていない会社」は、不動産でいうと「立地が良いのに管理がダメな物件」です。
好立地の収益物件に関しては、流動性が高いので著しく市場価格を逸脱した低価格で購入することは難しいです。そして、残念ながら現在は収益不動産市場はバブル的な様相を呈しています。
一方、収益物件に該当しない物件は、好立地物件であっても実需のローカルマーケットに連動しているので、収益不動産市場ほどには価格は高騰していません。
このような好立地の実需物件を(収益物件に比べて)安価に購入して再生することができれば、再建型M&A同様に高い確率で不動産投資を成功させることが可能となります。
このような投資戦略を可能とするには、下記の能力を磨くことが重要だと思います。
私が1棟マンション投資から好立地の築古木造戸建投資にシフトするのは、相続対策だけではなく現時点の不動産投資として最も成功率が高いと考えているからです。
もちろん、不動産市況が劇的に悪化すれば、1棟マンション投資を再開するつもりです。
2016年
1月
02日
土
2015.12.30の日経新聞で、現実社会で複利効果が有効なのか否かについての非常に興味深い記事があったのでご紹介します。
新潟市にあった新潟貯蓄銀行(現在の第四銀行)が1915年(大正4年)に募集した「100年」定期預金が2015年に満期になり、預金証書を受け継いだ方から同行へ問い合わせが数件あったとのことです。
現在では他に類を見ない「100年」定期預金は、大正天皇の即位の大礼を記念して募集されたそうです。当時は、第1次世界大戦で輸出が伸びた好景気の時期でした。
利率は年6%で、複利効果で当初1円預けると100年後の満期時には339円になります。単純計算では預入れ金額の339倍になる計算でしたが、通貨価値下落によって満期金額の通貨価値は劇的に減少しました。
当時の初任給は小学校教員で10~20円程度なので、100年前の1円は現在でいうと1~1.5万円の通貨価値があったようです。しかし戦後のインフレ等で通貨価値が激減したため、通貨価値がほぼゼロになりました。
資産形成の書籍を紐解くと、必ずと言っていいほど複利効果の有効性を説く下りがあります。しかし、現実社会では超長期に渡って元本の価値が維持されることは無いため、超長期の福利効果は机上の空論です。
もちろん、私自身は資産形成の複利効果を完全否定する者ではありませんが、単純に預金の複利効果のみで資産形成可能であるというおとぎ話は信じるべきではないことが証明されたと思います。