日本国債の暴落に対するヘッジ手段のひとつとして、CFDを用いて国債先物を空売りする方法があります。
l 日本国債先物の取引対象は、期間10年・利率6%の架空の債権を基に現在の金利水準なら価格はいくらか? を計算して算出する。
l 日本国債先物の額面は1億円です。債権CFDは取引単位×100倍なので先物価格が139円の場合、139円×100倍の13914円が債権CFDの取引金額となります。必要証拠金が1%(レバレッジ100倍)なら139円、10%(レバレッジ10倍)なら1390円が必要です。
l 限月の乗り換えはロールオーバーすることで長期で保有可能ですが都度値洗いされます。1年間で4回の値洗いが行われるため、その通算損益が一年毎に確定・課税される。
l 3ヶ月毎のロールオーバー時に強制的に損益が確定しますが、資金を引き出さないと仮定すると最初の先物購入価格でロスカットの安全域が決定します。
l これには税金支払いの影響を加味していないが、税金は口座から直接支払うわけではないので(2月16日~3月15日に自分で確定申告する)、口座自体のロスカットの安全域には影響がありません。
l 2012年1月以降は申告分離課税(20.315%)が適用され、所得額の大小にかかわらず、税率は一律になりました。また、取引で損失となった場合、その翌年以降3年間に渡り店頭FX/CFDおよび取引所先物取引等で発生した利益からこの損失額を控除することが可能です。ただし、損失繰越控除の適用を受けるためには、損失が発生した年についても確定申告を行う必要があります。
l 2010.11.26の日本国債10年の利回りが1.195%、2003年の史上最低金利の0.43%時点の理論上の先物価格は下記となる。
(100+6%×10年)×100/(100+0.43%×10年)=153.4円
※ 2010.11.26の日本国債10年は(100+6%×10年)×100/(100+1.195%×10年)=142.92円に対して市場価格は140.44円
利回り0% ⇒ 160円
利回り0.5%⇒ 152円
利回り1% ⇒ 145円
利回り2% ⇒ 133円
利回り3% ⇒ 123円
利回り4% ⇒ 114円
100万円資金投入、レバレッジ50倍、ロスカットを必要証拠金額としてJGB(国債10年先物)CFDを145円で購入すると、理論上の上限160円で1枚当り(160円-145円)×100×1で最大損失が1枚当り1500円、必要証拠金額は1枚当り145円×2%×100倍=290円なので、ロスカットを出さないには100万円-1500円×Y枚=290円×Y枚 ⇒ Y=558枚まで購入可能となる。558枚の額面は145円×100×558枚=809万円の取引金額となる(実際のレバレッジは809÷100=8.09倍)。
153円を上限とすると、1枚当り(153円-145円)×100×1で最大損失が1枚当り800円、必要証拠金額は1枚当り145円×2%×100倍=290円なので、ロスカットを出さないには100万円-800円×Y枚=290円×Y枚 ⇒ Y=917枚まで購入可能となる。917枚の額面は145円×100×917枚=1329万円の取引金額となる(実際のレバレッジは1329÷100=13.29倍)。
金利が2%では
(145円-133円)×100×558枚=66.9万円の利益
(145円-133円)×100×917枚=110万円の利益
現実的に危機的な国債下落の3%では
(145円-123円)×100×558枚=122万円の利益
(145円-123円)×100×917枚=201万円の利益
金利が6%に上昇すると
(145円-100円)×100×558枚=251万円の利益
(145円-100円)×100×917枚=412万円の利益
結論
1枚当り145円で仕込んだ場合、金利3%の危機的状況で1000万円程度の含み益を得るには、上限を160円に設定した場合には820万円、上限を153円に設定した場合には500万円の軍資金が必要となる。日本国債先物のCFDは、ひまわり証券およびIG証券で取引できます。